自室の扉を開けた途端、香ばしい匂いが漂ってきてエリィは我知らずにっこりした。
食べ物の気配を察したそばから空腹を感じるのは健康な証拠だ。今日も良く食べて良く働こう。
半端に開いた窓からは、早朝特有の清涼な風が流れ込んでくる。窓枠の間を跳ねて囀る小鳥が二羽。可愛らしい姿に目を細めながら、階段を一気に駆け下りる。
「おはよう」
挨拶の声に、ミーティングルーム兼食堂に集まっていた三人が同時にエリィを振り向いた。
「おはようございます、エリィさん」
「おー、いいタイミングで降りてきたなぁ」
「おはよー!」
カトラリーケースを持ったティオが目許をやわらかく緩め、それぞれのグラスにミルクを注ぎながらランディが口端を上げる。キーアは両手にしっかり持った苺ジャムの瓶を頭上に差し上げて飛び跳ねた。
配膳はすでにほとんど済んでいる。今日の朝食はサンドイッチのようだ。トースターで焼き目をつけた食パンに、卵が挟んであったりハムが挟んであったり。キーアの席にある皿だけ何も挟んでいないパンの割合が多い気がしたが、その疑問は彼女が持っているジャムで解決する。
育ち盛りなんだから甘いものばかりじゃ駄目よ――なんて言ったら、ランディあたりにますます保護者扱いされてしまうだろうか。もっとも、キーアは基本的に好き嫌いなく出されたものは何でも食べる。ここ数日の食事を思い返してみても、別段栄養が偏っているということもないので黙っておくことにする。
エリィは礼を言って自分のグラスを受け取り、テーブルの上に置いた。
「そういえば、ロイドはまだ起きてこないのね。珍しい」
階段を振り仰いでみても、足音すら聞こえない。ロイドは基本的に行動が速いほうなので、人を待つことはあっても待たせることは滅多にないのだけれど。
「ああ、アイツ昨日夜更かししてたからな……なんか今日の昼までに本部に提出しないといけない書類があったとかなんとか」
「あら、そうなの? ロイドったら、言ってくれれば手伝ったのに」
天井を見上げて言っても彼に聞こえるはずはない。
「でも、昨日の支援要請の報告書は結局エリィさんが全部引き受けてくれましたし。さすがにロイドさんも頼みづらかったのではないでしょうか? ……そもそも」
ここで一度言葉を切り、ティオがランディを軽く睨んだ。
「徹夜してでも手伝うべきだった人はここにいるのではないかと」
「お?」
じっとりと棘を含んだ視線もどこ吹く風、赤毛の青年は眉尻を下げて笑う。
確かに彼女の言いたいこともわからないではない。昨日の支援要請の報告書も、重要なところはエリィがやったけれど、ティオにも書類に添付する地図やグラフを何枚か作ってもらった。端末の扱いに手馴れている少女は、エリィには魔法のようにしか見えないほどの速さでもってキーボードを操る。そして、画面上にあっという間に映し出されてゆく図をてきぱきとプリントアウトしていく。彼女にばかり負担をかけないよう、ぼちぼち勉強はしているのだが――追いつくには相当の練習と時間が必要であろうことは想像に難くない。忙しい中、つい甘えてしまっているのが現状である。
要するに、書類に関して何もしていないのはランディだけなのだ。
まあそうはいっても、向き不向きはある。彼は突出した戦闘力で、いつも率先して危険の只中に飛び込んでいっているわけだし、それで相殺されるのではなかろうか。
ただ、これも口に出すと本人がおおいに調子に乗るので黙っておくことにする。
「まあ、分担はまた今度考えるとして。ランディ、ロイドを起こしてきてくれる? もういつもの時間を過ぎてるのに起きてこないってことは、本当に寝てしまってるみたいだし」
「おお、わかった……いや待てよ」
ランディは気楽に返事をしかけ、しかしふと首をひねった。
「どうしたのー?」
きょとんと問いかけてくるキーアの頭をテーブル越しに一撫で、それから顎に手を当てる。何か考え事をしているらしいが、もちろん彼の頭の中など読めるはずもない。待ちかねたティオが仕種だけで促すと、ランディは難しい顔で一言つぶやいた。
「…………何が悲しゅうて朝っぱらから野郎を起こさなきゃならないんだ?」
「………………」
それがどうした。
とは、この場にいる女性三人の総意だっただろう。いや、キーアはどうだか知らないが。大きな瞳をまん丸に見開いて見上げる少女の向かいで、独り言にしては大きな声で、青年はさらに続ける。
「だいたいだな、俺としては朝チュンで半裸の姉ちゃんに優しく起こされて……」
朝チュン、のくだりでエリィは素早くキーアの両耳を塞いだ。我ながら素早かった。
そのぶんティオの防御をしてやることができなかったが、今までの経験上彼女はある程度そういった話題に耐性があることも知っている。まさか未成年の前で本気でいかがわしい話を始めたりはしないだろう。ランディに対しても、その程度の信用はある。
「そのまままったりってのもいいけどよ、ガバーッといっちまうのもそれはそれで」
……やっぱり期待するだけ無駄だった。いや、直接的な単語が入っていないからいいのだろうか、いやしかし。
どちらにせよ少女にとって楽しい話題であるはずはない。ティオの絶対零度の視線に気づいたか、ランディはうつむき加減だった顔を上げてにかっとした。
「お、悪い悪い。そういうわけでだな、行け、エリィ!」
いつもどおり“お嬢”ではなくわざわざ名前で呼ぶ辺りが逆にわざとらしい。しかも馬鹿馬鹿しい台詞を無駄に整った容貌できりっと恰好をつけながら言われても。
だが、彼のこういう言動には悲しくも慣らされてしまっている。エリィはため息をついて、びしっと人差し指で階段を指し示しているランディを見やった。
「……悪いけど、朝から貴方の妄想につきあえるほど元気がないのよ。頼むから早く行ってきてちょうだい」
「お嬢といいロイドといい、なんでそこで妄想扱いするかねえ。男なら当然待ち望むシチュエーションだと思うんだがなあ」
「そんなことはどうでもいいです。なんならわたしが行ってきてもかまいませんが」
面倒になってきたのか、ティオの態度は投げやりだ。しかしめげないランディは、自身が行く気はないことだけは示そうというのか、さっさと椅子を引いて座ってしまった。
「おお、俺はティオすけでもかまわねえぜ。ちなみにどうやって起こす?」
「……そうですね。極小のダイヤモンドダストでも発生させてみま」
「いやいやいや、やめとけ、肩揺すって声かけるくらいにしとけって」
何か今、一瞬で立場が逆転したような。エリィはキーアの両耳に当てた手を動かさないまま何度も瞬きした。
まだ油断できない。さっきまでおかしなことを口走っていたのはランディで、ティオは呆れている側だったはずなのだが。今度はティオが過激なことを口走ってランディに真面目に止められた。
となると、話はいったいどんな方向に転がっていくやら、まるで見当もつかなくなってくる。
少女が頭を傾けると、薄青色の髪がさらりと肩を滑った。
「声をかければいいんですか……? たとえば“お兄ちゃん、起きて”とか、“ご主人様、おはようございます”とか?」
「……って、どうしてそうなる!」
最早完全にボケとツッコミが逆だ。訳がわからない。
そもそも何故そうなるのか。ティオに突っ込みたくて仕方がないが、自分まで加わってはますますおかしなことになるだろう。今の台詞に限らず、ティオと、それから彼女の友人(といっても本人たちは認めたがらないかもしれないが)であるヨナの二人は、ときたま周囲にはわからない独特の言い回しをすることがある。ロイドなどは“弟系草食男子を装った食いまくりのりあじゅう”と評されたらしいのだが、弟系とか草食とかはまだわかるにしても“りあじゅう”とは何だろう。さっぱり理解できない。
ともかく収拾のつかなくなった会話をどう終わらせるか。その一点に向かいかけたエリィの集中を、あどけない声が遮った。
「ねえエリィ、キーアおなかすいた」
「えっ? あ、そうよね! そうよね、ごめんなさい」
耳を塞いだままの手をどけて謝る。軽く肩をすくめてから、彼女はキーアのちいさな手を握った。そう、こんなところでこんな話をしている場合ではない。こうしている間にも時間は刻一刻と過ぎていくのだ。せっかく焼いたパンも硬くなってしまう、早いところロイドを起こして連れてこなくては。
「じゃあキーアちゃん、一緒にロイドを起こしに行きましょう」
「うん!」
まだがちゃがちゃと言い合っている二人は放置して階段を上る。背中から「せめて色っぽいささやきで頼むぜ!」とかなんとか言われた気がしたが、聞こえないふりを通した。
ノックを三回。返事はない。
扉の外から伺う限りでは、部屋は静かそのものだ。
「ロイド、入るわよ」
一応のこと声をかけてドアノブを回しても、開閉の音以外物音ひとつしなかった。なんとはなしにキーアと口の前で人差し指をたてて、しーっと視線を交わし合う。起こしにきたのになんとも矛盾する行動だが、特に疑問は湧いてこなかった。
窓は北側だが、多少なりとも朝日が入って室内は薄明るい。帯状に差し込む光の中を、細かな埃が舞っている。以前部屋に入ったときと同じ、陽に干したシーツのような匂いがした。机の上には大型の封筒ひとつ。どうやら書類はなんとか完成できたようだ。青い絨毯を踏んで、右手にある寝台に近づく。
「よく寝てるねえ……キモチよさそー」
「そうねえ……」
いくら静かに入ってきたとはいえ、エリィもキーアも特別気配を殺しているわけではない。なのに起きる様子もなく、目当ての青年は穏やかな寝息をたてていた。
布団からはみ出した右腕は軽くこぶしを握り、枕の真ん中よりも少し右にずれた中途半端な位置に頭を預けている。無防備に薄く開いた口許は実は普段とそれほど印象が変わらないけれど、まぶたを閉じていることでもともとの童顔がさらに強調されて幼くさえ見えた。
これはこれで、なかなか可愛らしい。以前キーアに「ロイドはエリィのオトウト?」と聞かれたとき、彼は速攻で否定したものだったが。一人の男性として想いを寄せている相手ではあるものの、エリィにしてみれば、弟みたいなところは多分にあるだろうと思えて仕方がない。
セシルに弟として扱われ、イリアや看護師たちに弟君と呼ばれ、無意識のうちに誰に対してもそういうふうに振舞う癖がついてしまっているのかもしれない――いや、でもティオやキーアに対してはどう見ても保護者の顔をしているし――
(まあ、そんなこと考えても仕方がないわよね)
無理やりに思考を切り替え、彼女は身をかがめた。ロイドの枕元でキーアがじーっと彼を観察している。他のメンバーはともかく、キーアにとってはロイドの寝顔など珍しいものではなさそうだが。
そこでふと気づいて、エリィは眉をひそめた。
至極平安そうに眠っていたロイドの表情が、微妙にゆがんだのだ。人の気配を感じて目覚めかけているのかと思って待ってみたが、そんなこともなかった。うなりたいのか口をもぐもぐ動かして、でも声は出ない。うなされている、とまではいかないがさっさと起こしてやったほうが親切だろう。
「ロイド、起きて」
エリィは片手を伸ばして、ロイドの肩を揺すった。頭の位置がずれたせいか「ん……」と声を洩らして反応を示す。まぶたをぴくぴくさせ、眉間にしわを寄せた。あと一歩。
さらに力を込めて揺すると、彼は何の前触れもなくぱちりと目を開けた。
「きゃ……」
起きたと確認する暇もなかった。急に強い力で引かれてバランスを崩す。足がもつれて、両の膝がマットレスに中途半端に沈み込んだ。体勢を立て直すことができず、倒れるしかない。額がニット地にぶつかってこすれる。
ついでにつぶれた鼻の痛みをこらえながら、エリィはなんとか顔だけを起こした。
「ロ、ロイド?」
「…………。……あれ、エリィ? おはよう」
「おはよう……」
至近距離で視線を合わせ、二人は同時に瞬きした。
たったさっきまで顔をしかめていたのが嘘のように、涼しげな瞳でロイドが朝の挨拶をする。おはようと言われればおはようと返すしかない。
「……」
「……」
他に何か言わなければならないことがなかっただろうか。あったはずなのに思い出せない。きょとんと邪気のない表情の中心、合わせ鏡と化した瞳の中にはやはり同じような表情の娘が映っていて、自分の顔なのに、なんだか他人を見ているような錯覚を覚えた。
さら、と銀髪がこぼれる。なんとはなしにその動きを目で追うと、白いシーツの上に行き着く。さらさらとたて続けにこぼれる髪で、視界が少し暗くなる。頬の下のほう、口に近い部分に、自分以外の吐息を感じる。
二人は再び同時に正気に返った。
「わあぁっ!?」
「きゃああ!」
磁石の極が反発するかのように、瞬時にお互い距離をとる。ロイドは背中を壁に張り付かせ、エリィは勢い余って数歩後ずさった。よろけた腰をちいさな手が支えてくれて、どうにか均衡を保つ。
「な、な……」
頬が熱くなるのを止められない。自分自身を抱きしめるのが精一杯だ。せめて両手をぎゅっと握りしめる。
もうあと少しで唇が触れ合うところだった。と、いうか、思いきりベッドの上で覆いかぶさる形になっていた。あんなに近くでロイドの顔を見たのはたったの二度目、しかも久しぶりだ。
最初の一度は、IBCビルで、彼に肩を抱かれて――
「おー、エリィまっかー」
キーアの無邪気な声で、エリィははっと我に返った。知らず縮めていた背中を伸ばし、恐る恐るロイドに目をやる。茶色い瞳は驚愕に見開かれ、瞬きさえも忘れたかのように凍りついている。右手で顔の下半分を覆って、左手は不自然な角度で曲げられて壁に沿わせて。
ただ、片手で隠せるのはそれこそ顔の半分だけだ。寝巻き代わりのTシャツから露出した首筋周りも、覆いきれない目許も耳も、普段とはかけ離れた色に染まっている。
「きゃはは! ロイドもまっかっかー」
楽しげなのはキーアだけ、こちらは気まずくてたまらない。絶対に絶対に、意味がわかっていないに違いない。いや意外に他人の気持ちには聡い少女だ、わかっているのかもしれない。が、敢えて読み取ってほしくはないというか。
居心地の悪い沈黙を先に破ったのはロイドだった。
「その……ごめん。ええと、その……何か、夢を見てたみたいなんだけど。それで」
「え、ええ。なんだか苦しそうだから起こそうと思ったんだけど……」
「うん、その、内容は覚えてないんだけどさ」
「そう」
会話が続かない。しかし何か言わなければずっとこのままだ。何度もキーアに頼るわけにもいかない。羞恥と動転で全身に吹き出る汗を意識しながら、震える唇をなんとか叱咤して続きを紡ぐ。
「あの、ね。朝食の時間になっても降りてこないから、起こしにきたの」
「そ、そうなのか……って! 今何時!?」
慌てて枕もとの時計を取り上げる横顔からは、動揺の残り香はもうほとんど感じられなかった。こちらは未だにどきどきと鼓動がうるさくて落ち着かないというのにいい気なものだ。
あのときのことを思い出したのは自分だけだろうか。彼は忘れているのだろうか。不誠実な人間だとはまったく思わないけれど――そもそも不実な男なら好きになどならなかった――それじゃあ、あの行動にはいったい何の意味があったというのだろう。わざわざ言葉で確認する気にはなれず、かといって忘れてしまうこともできない。たまに思い返しては一人赤面して慌てる自分が、なんとも滑稽ではないか。
エリィはロイドにもキーアにも見えない角度で、八つ当たり気味に唇を尖らせた。ここでうだうだ悩んでいたって何も解決しない。少女の背中に手のひらを回して、ごく軽くたたく。
「それじゃ、私たちはもう行くわ。なるべく急いでね」
「ああ!」
がたがたと慌しくクローゼットを漁る彼を尻目に、振り返らずドアを閉めた。背後から「あいた!」という叫びと同時に鈍い音がする。急ぎすぎてどこかぶつけたのかしらと見当をつけながら、キーアを促しさっさと階段を下りた。
「おお、降りてきた降りてきた」
支度は整っているのに律儀に待っていたらしい。席についていたティオとランディが首を伸ばした。とととっとキーアも自分の席に向かって駆けてゆく。
「大丈夫ですか? なんだかすごい悲鳴が聞こえましたが」
「え、聞こえた?」
エリィは慌てて尋ね返した。そういえばティオは遠くのかすかな音も聞き取ることができるのだ。普段は意識して敢えて感覚を鈍くしているようだが、同じ建物の中、あれだけ騒げば聞こえていてもおかしくはない。
「悲鳴? 俺には聞こえなかったけどなあ。何やったんだよお嬢」
あくまで気楽に笑うランディがうらめしい。しかし何をやったんだとはご挨拶だ。自分はただロイドを起こそうとしただけで、手順も至極まっとうだったと思う。過剰反応したのはどちらかといえば彼のほうであって、まあ、咄嗟にうまい応対ができなかったことについては言い訳のしようがないのだけれど。これで相手が確保前の犯人だったりしたら警戒を怠ることなどないが、ロイドだったのだし、実質何か被害があったわけではないのだし。
エリィは息をついてかぶりを振った。
「何もしてないわよ。ちょっとびっくりしただけ」
「びっくり、ですか?」
「あのね、ロイドがね! エリィをね」
「押し倒したか!」
「してません!」
朝からどっと疲れる。椅子の背に手をかけて引き、座る。サンドイッチは温めなおしてあるのか、まだほのかにあたたかかった。美味しそうな匂いに荒んだ気持ちが少しだけ癒される。ランディの探るようなからかうような視線が多少鬱陶しいが、口を開かなければなんとかやり過ごせるだろう。
そう、くさくさするのはきっと空腹でもあるからだ。早いところお腹を満たして気分を切り替えてしまいたい。
「お、ロイド。今日は重役出勤だなあ」
振り向けば、話題のロイドがちょうど階段を下りてきたところだった。そのつもりはなかったのに、目が合ってしまう。エリィは急いで視線を逸らして、ついでにカトラリーケースに引っかかってランチョンマットの角がめくれているのに気づき、それを直した。
一瞬だけ見えた耳の端が赤いのは、急いでいたからかそれとも少しは意識されているのか。いや、まさか。そんなはずはない。そんなはずはない。
彼の気持ちはちっとも読めないのに、彼女の心臓はまた勝手に早鐘を打ち始めて、それが悔しくてたまらない。
「おはよう……ごめん、寝坊した」
「まあしょうがねえさ。たまにはな」
「ランディさんは偉そうに言える立場ではないと思いますが」
「ほえー、そうなの?」
「ええ。こういう大人になってはいけませんよ」
「うんっ! よくわかんないけどわかったー!」
「ちょっと待てキー坊!」
追及の構えを見せていたランディは、早忘れてしまったのかエリィには見向きもしない。それよりも、とくとくと説教するティオを遮り、キーアに弁解するのに忙しい。
ほっとしたらなんだか肩の力が抜けた。
頭上を飛び交う会話にはだんまりを決め込むことにする。いただきますの合図とともに、エリィはまず冷たいミルクの入ったグラスを手に取った。
指先から頬の熱も一緒に奪い取られて冷えていくさまを思い浮かべれば、心も自然と落ち着いていくような気がした。
ロイドさんはラッキースケベに遭遇してるかもしれませんがご想像にお任せします。ってこんなんばっかりか自分!(笑)
ED後なのでお互い微妙に意識してて引きずるという。前更新したのに続いてまたもやエリィさんちゃんと望みあるよ! みたいな話でした。話でした。…よね? ただしエリィ本人は期待することに疲れているので結局「ないない」という思考に囚われているオチ。
うちのロイドは基本選択肢は全部エリィ、ただし記念祭で起こしにきたのはランディってことで。いやそれが自然かなーと。主に戦力分担的な意味で。
戦力を分けるときはロイド+エリィ、ティオ+ランディの組み合わせになることが多いと思われます。何故って戦闘能力的にバランスが取れるから。
ゲーム内ステータスはとりあえず置いといて、ストーリー上ではおそらく純粋な戦闘能力はランディ>ロイド>エリィ>ティオですよね。なので一位と四位、二位と三位が組めばバランスが取れるわけです。前衛後衛的にも。あと普段の陣形というか並び順もそれを考慮してる感じで好きなんだよなー。先頭に二番目に強い人が来て、三番目、四番目と並び殿を一番強い人がやる。素敵だ! まあファルコムの中の人がそれを考えて並ばせたのかどうかは知らんですが。
そういうわけでストーリー進行で並び順が変わるとわざわざ戻してみたりします。ちなみに三周目は敢えて手を加えずやってみたら要所要所で最初の並び順に戻るんですねー。ラスダン突入時も初期どおり。
あ、あと関係ないけど覚書代わりに書いとこう。目分量で比較した身長。
ランディ>ダドリー>ロイド≧ヨシュア>銀(被り物含む)>エリィ(ヒール含む)≧ワジ≧ノエル(帽子含む)>エステル>ティオ
ワジとノエルは逆かも。しかしこうして並べてみると意外にエステルがちまっこいんですね。しっかり身長差つけてあるあたりも細かくて好きじゃー