灼熱の先の途
 存外に強い光が脳裏を貫いた気がして、シオンはかっと瞼を見開いた。
 目覚め方としては穏やかではないだろう。それこそ誰かが顔を覗き込んでいたならば驚いて身を反らせるに違いない。もっとも、そんな失礼なことをする輩がいたら即刻実力行使でもって退室願うけれども。
 硬い寝台の上で寝返りを打った。その拍子に、窓から差し込んでいた陽光が直に目許に当たったのだ。それで一気に覚醒した。天蓋などという洒落たものはない。窓だって、機能上そういう呼び方をしているだけでただ四角くくりぬかれている穴だ。
 思っていたよりも寝過ごしてしまったようだった。寝床としてあてがわれた建物の外ではすでに活動の気配がする。シオンは胸を撫でおろした。もう少しぐずぐずしていたら無防備な寝姿を誰ぞに見せつけかねないところだった。やむを得ない状況ならともかく、普段は絶対に許せることではない。ここはダナの集落なのだから余計にだ。
 掛け布もない、寝巻など当然用意されていない。着の身着のままで寝るに邪魔だった肩当を装着しなおし、虚空から銃身を呼びだして異常がないかだけ確認して再び沈める。そうしておいてからなんとなく足音を忍ばせ――部屋の反対側に設置された寝台へ向かった。
 青年がひとり、静かに目を閉じて横たわっている。
 炭化しかけて黒くなっていた腕は、今はひととして不自然でない程度の色を取り戻して褪せた敷布の上に投げ出されていた。骨格、筋肉、神経、皮膚。観察する限りでは機能を失った器官はなさそうだ。深く息を吸い、手をかざす。生まれた淡い光がふわふわと彼の上半身にまとわりついた。
 まだ昨日のことだ。あのときはともかくもこの男を死から免れさせねばならないと、それだけしか頭になかった。必死だった。最優先は炎の剣を握っていた腕、それから余波で炙られ爛れかけている前面の皮膚、灼けた空気を思いきり吸い込んで損傷した呼吸器。臓腑の奥深くがどうなっているのかはわからない。胸を掻っ捌いて確かめるわけにもいかず、ひとまずはその場で考えつく限りの術を施した。息遣いが瀕死のそれから規則的なものになったのを見届けて、ようやく他の人間がそばに来ていたことに気づいたのだった。
 ここカラグリアの抵抗組織のひとつ、紅の鴉。頭目たるジルファは領将の結末だけを簡潔に尋ねた後、すぐさま倒れ伏した青年を拠点に運び込んだ。
 夜露を遮る環境を確保してからも油断はできない。数人の立会いの下協力を得て焼け焦げた服を剥ぎ、融けた皮膚を修復し、血と煤にまみれたままではわからないと清拭させては新たに見つけた傷に手をかざした。シオンの鬼気迫る表情に何かを見たのか別の理由か、鋭く矢継ぎ早に飛ばした指示にはその場にいた誰しもが文句も言わず従ってくれた。治療は深夜まで及び、一区切りついたところでどうせだからおまえたち二人でこの部屋を使えと出ていった後ろ姿を見送り――そのあとの記憶が曖昧だ。複数あった、残った寝台の中でいちばんましに見えたそれを選んで横たわったらしい。そして夢を見る間もなく寝入ったと。夢など見たいとも思わないからむしろ幸いだが。
 光が徐々に収束していく。ひとまずもう命に別状はないだろう。あとは様子を見つつ、各部細かく分けて少しずつ治癒術を重ねがけしていったほうがいい。ひとりで、かつここまで深刻な怪我人に治癒術を施した経験はシオンにもなかった。傷がなんとかなったとしても、体力や生命力といった方向で身体に負担がかかりやすくなるかもしれないし、慎重になるに越したことはない。
 時間の浪費は痛いがこの男が死んでしまったり戦えなくなったりしたら、目的への道のりが遠くなってしまうことは間違いがないから。
「シオン、起きてる?」
 部屋の外から女性の声がかかって、シオンはそちらを振り向いた。もちろん扉もない入り口からは、麦わら色の髪の女が顔をのぞかせていた。
 周囲に何度も名を呼ばれていたからなんとなく覚えている。ティルザ、だったか。彼女は振り返ったシオンを見て、ほっと口許を緩ませた。その反応があまりに意外で、動揺して身体が揺れる。
 ダナには珍しく、シオンに向けるその瞳の中には嫌悪も恐怖もない。もしあったとて、悟らせずうまく隠すことができる人間なのだろう。ただ探るような光を宿していることがあって、それはあまりいい気持ちではなかった。悪意からではなさそうだ。じろじろ凝視してくるわけでもなし、だから口にしてやめろと主張するほどのことでもない。ただ何かを見透かされているような気分になることがあって、あまり視線を合わせたいとは思わない相手だった。……べつに、ティルザに限った話ではないけれど。ここ数日はそんなのばっかりだ。
「私に何か用?」
「そうよ」
 ともあれ声をかけられたのであれば無視するわけにもいかない。立ちあがったシオンに短く返事をして、ティルザは横をすり抜けた。寝台に仰臥する青年を見下ろし、しゃがみ込み、ごく自然な仕種で脈をとった。
 びくっと反応した自身の手をなんとか抑えつける。そうだ、自分以外は誰が誰に触れたところで問題ない。シオンにはできない触診だってできる。本当は観察だけでなく筋や皮膚の弾力がどれほど戻ってきているかも確かめたかったのだけれど、それはかなわないのだから仕方がない。あきらめていたことを難なくされてしまったから釈然としないだけだ。
「やっぱり星霊術ってすごいのね。ほとんど元通りだわ」
「……それを確認しにきただけなの?」
 声をかけてきたときの先ほどの表情を考えれば、青年の容態を診に来ただけというわけでもなさそうだが。一定の距離を取って訝しく尋ねるシオンに対し、ティルザは軽くかぶりを振った。
「そんなわけないでしょ。急変しそうかどうかだけ確認しておきたかったのよ、問題なさそうで安心した。ねえあなた、悪いんだけど他の人も星霊術で治療してあげることはできない?」
「それはべつに、かまわないけれど……」
 シオンは今度こそ困惑して声を揺らした。
 心底望んでいるわけではないとはいえ、食事と寝床を提供されている事実もある。一宿一飯の恩だなどと殊勝なことを言うつもりはないが、対価を寄越せというなら手段によってはやぶさかではなかった。ダナから与えられるだけなど冗談ではない。この程度借りにすらならないとシオンが思っていても、向こうはそうでない可能性もある。借りは返しておく。つけこまれる隙は減らしておくに越したことはない。
「助かるわ! そうと決まれば急いで、こっちよ」
 質問はゆったりした風情だったのに、ティルザは突然素早く身をひるがえした。余裕があるように見せかけて、実はそうではなかったのかもしれない。
 帰途は青年の火傷の様子ばかりに気を取られていた。周囲を見もしなかったが、あれだけの規模でぶつかりあったのだ、相当数の怪我人が出たに違いない。となれば待ち受けているのは想像以上に過酷な光景か。
 ――べつに、ダナが何人どうなろうと知ったことではない。そう思うのに。だからといって、目の前で苦しんだり死んだりする姿を黙って眺めていられるほど冷徹にもなりきれていない。
 シオンは唇を噛んで速くなる背中を追った。





「嫌だ! おれは絶対に嫌だからな!」
 割れんばかりの男の大声が耳に突き刺さる。
 毒々しい色に変色した脚。もう動かすことはおろか、感覚すらないだろう。苦痛で脂汗を流しながら、それでもその男は恐怖に引きつった顔で後ずさりしようとした。
 瞳孔が忙しなく揺れ開きかけている。もしかしたら意識を失う一歩手前か。だというのにぎらぎらと目を血走らせてシオンを指さし(失礼な)、あまつさえ唾を飛ばして喚き散らすものだからその元気はどこから来ているのやらと重症患者ながら呆れてしまう。
「だーかーら。あなたの脚、壊死が始まってるのよ。このまま放っておいたら死ぬの。脚を切るしかないの。でも彼女の星霊術なら治療できるから……間に合うわよね?」
「誰に言っているのかしら」
 当然だ。ティルザに確認され、つんと肩をそびやかす。
 死に絶えた組織であれば再生は不可能だが、見た限りではまだ彼は治る。傷は脚だけでとどまり、毒も他のところまでは回っていないようだから、シオンの手にかかれば造作もない。傷ひとつ残さず癒してしまえるだろう。
「いやだ……いやだ。光り眼なんかに術をかけられるくらいなら片足になったほうが……おれの兄貴は星霊術でレナに切り刻まれたんだぞ、お前だって同じだろう! 治してやるなんて甘いこと言って、おれ、おれたちを……!」
「言いがかりも甚だしいわね」
 めんどうくさい。シオンは鼻を鳴らして一刀両断した。
「弱いものいじめなんて、そんな悪趣味なこと思いつきもしないわ。……用がないなら行くわよ」
「っなんだと光り眼の分際で……!」
 前半はやかましい男に、後半の言葉はティルザに向けて。だいいちここまで悪しざまに罵ってくるものをどうして助けてやらねばならないのか。星霊術でなくとも治療の手段はある。本人がそちらを希望している。ならその後の生活がどういったものになろうとそれはシオンの関知するところではない。好きにすればいいではないか。
「待ってくれ」
 ぬっと戸口を大きな身体でふさがれた。驚いてたたらを踏む。触れないよう微妙にかわす彼女の様子に頓着せず、窮屈そうに入って来たのはジルファだった。
「ジルファ! そいつを早く追い出してくれよ、これ以上ここにいてほしくない!」
 途端勢いづいてきゃんきゃん吠え始めるさまはまるで小型犬だ。レナもダナもない、こうなると本人の気質の問題だろう。どちらにせよこれだけ元気なら死ぬことだけはあるまい。治癒術をかけるにしても逃げ腰の相手に抵抗されながらとなると難易度が跳ねあがる。そんな労力を割いてやる義理はシオンにはない。部屋に戻ろう。
「ちょっと、どいてちょうだい」
 ジルファは入ってきたのに中までは進んでこなかった。そこに居られたら外に出られないのだからとっとと道を空けてほしい。シオンの催促の声が尖っていることにも気づいているだろうに。落ち着けと言わんばかりに、彼は片手を上げた。
「すまんが待ってくれ。……ティルザ、猶予はないんだな?」
「ないわ。説得に時間なんかかけてられない」
 怪我人をこれ以上興奮させないために、かける言葉を選びあぐねていたのかもしれない。ティルザは寝台そばに立ったまま、腕組みして肩をすくめた。
 ジルファはひとつうなずくと、通路にいた青年――ガ、ガ、なんといったか。まあ必要が出れば名前もそのうち覚える。ガなんとかに向けて顎をしゃくった。
「俺は加減がうまくできん。お前が落としてやれ」
「あー……まあそうなるよなあ」
 茶色い髪の青年もジルファのわきをひょいとくぐって部屋に入ってきた。広い空間ではない、人口密度が上がるとやりにくい。部屋の隅に退避するシオンの動きは制限せず、まずはこちらだとばかりに数人が騒いでいた男の腕をとりがっちりと固める。
 あっさりと意識を失った男の、治療はものの数分もかからなかった。





 疲れた。
 寝床としてあてがわれた部屋に戻ってきたとき、浮かんだのはその一言だった。
 結局あの後もシオンの治癒術は引っ張りだこだった。薬と外科手術だけではどうにもならないまでに進んでしまった怪我を、あっという間に治してみせたのがよほど衝撃だったのか。三角巾で腕を吊った青年がおそるおそる声をかけてきたのを皮切りに、大勢の重傷者を相手に今の今まで治療に追われていたのだった。
 報酬代わりに五人分程度の食事をもぎとり、そして解放された彼女の背中にかけられたのが「助かったわ、明日もよろしくね!」という台詞である。まったくふてぶてしいことだ、使えるものは使うだけだと言いきってはばからない。強かな人間はやすやすと動いてはくれないことが多くて腹立たしいが、決して嫌いではなかった。力とはなにも星霊術や戦闘能力の話だけではない。知力だとか生命力だとか、説得力だとか、それこそ単純な迫力だとか。レナであるシオンにとっては何かしらの力あるもののほうがなじみが深く、接するに迷いも要らなかった。
 一応は気遣いだったのだろう、ジルファの指示でガナル(覚えた)かティルザのどちらかがシオンに始終付き添っていた。その甲斐もあってか痛みが消えたことへの安堵感か、以降あからさまに不愉快な態度を向けられることはなかった。
 ウルベゼクの住民はともかく、紅の鴉に限っては、最初に接した男がむしろ例外の部類だった。家族があの言葉どおりの目に遭わされたというのならレナを憎むこと自体は無理もないし、憤りと恐怖が苦痛と相まって我を忘れて攻撃的になってしまっていたのかもしれない。もしかしたら冷静なときは誰が相手でも最低限の礼儀をわきまえて接することができる人間だったのかもしれない。そう考えられる程度にはシオンの機嫌は回復していた。
 無暗に他人と関わりたくはない。まして彼らは同胞ではない。でも故郷すら捨ててきた彼女は、笑顔を向けられるのも感謝の言葉を投げかけられるのもほんとうに久しぶりだった。それだけは、悪くないのだ。悪くない。溺れて縋ってしまわないように、心を遠くに置いておくことさえ忘れなければいい。彼らが表面上敵愾心を向けてこないのは、あくまで頭目であるジルファの意向があるからだ。それを忘れずに。
 西日が集落を赤く照らしている。寝台に歩み寄ったシオンの背を刹那かすめ温め、陽は急速に落ちていった。部屋の中はすでに暗くなりかけていて、眠る青年の顔に濃い陰影を落としている。容態に変化はないようだ。顔色も悪くない。
「アルフェン……アルフェン、ね」
 シオンは聞かされた名を、改めて口の中で転がしてみた。
 響きは悪くない。名は体を表すというのは必ずしもそうではないと彼女は思っているが、似合いの名かと問われれば肯定くらいはしてやるだろう。声や体さばき、物言いからだいたい予想はついていたが、若い。おそらくシオンと五つと離れてはいまい。
「やっぱり何かおかしいわよね……」
 一口にダナ人の奴隷、で片づけるには異質に過ぎる。
 容貌はそれなりに整っている。栄養不足のせいか乾いて艶を失った銀色の髪と、鋭さの中にほんの少しだけまろさを残した頬、顎。思い出したのだとおのれの名を叫ぶ直前、交わした銀青のまなざしは不意を突かれたシオンをたじろがせるには充分な強さを持っていた。あれは使われることに慣れたものの目ではない。まつろわぬものの瞳だ。
 骨格は頑丈でほぼ完成されていて、手足もすんなり伸びている。カラグリアの奴隷の労役は特に単純な肉体労働が多いと聞いていた。そんな日々を繰り返して成長したならばこれほど均整のとれた体躯をしているはずがないし、なにより筋肉のつきかたからしてモスガルにいた他の奴隷たちとは大幅に異なっていた。一年の奴隷生活で痩せて肉が削げてしまってはいるのだろうが、少なくともそれ以前は充分な食事を摂れていたように見える。
 全身のばねを駆使して身体の一部のように剣を操り、武骨な中に舞うような優雅さも時折混じる。レネギスで修められるひととおりの武術に関しては知識――実践はともかく知識だけは――のあるシオンだが、アルフェンの剣術はそのどれとも微妙に違った。共通点がないわけではないのだが、違う。でも明らかに我流ではない。才能だけではあの動きはできない。彼は正規の訓練を少なくとも数年は受けたことのある人間だ。
 そして、レナであるシオンと最初からまともに会話を成立させる胆力もある。
 人は子どもや女性とみれば本能的に警戒心を薄れさせる傾向にある。シオンも見目はいかにも無害な華奢な娘で、けれどレナだと知れた途端にダナは皆怯えを含んだ視線を向けてきたものだった。レナは嫌いだけど、他の連中ほどじゃないってだけだ。アルフェンはそんなことを口走っていたけれど、それだけで説明できるものでもない。
 奇妙な仮面で表情を隠されていても、その声には感情が乗せられていた。“人間”を相手に喋るものの声色だった。シオンの何気ない一言に過剰に反応して怒ってみせたかと思えば――まあ後から思い返してみればあれは高慢に聞こえたのかもしれない――未知のものにいちいち素直に驚いて感心して喜ぶ。思い出したように猜疑心をのぞかせ、けれど次の瞬間には妙に屈託がなくのんびりした体を見せたりもする。
 なにより大の男であってものたうち回らずにはいられないほどのシオンの荊を、腕にまとわりつかせながらけろりとしている。触れても悲鳴をあげない。逃げて、いかない。
 謎だらけ。身元も出自も、心の内すらも。予測不能だしさっぱり意味がわからない。
「……まあ、考えても仕方のないことだけれど」
 都合がいいには違いない。使えるものは使うだけだ。
 領将の支配に不満を抱くダナは当然無数に存在している。この青年もそのひとり。アルフェンに強大な力を振るわせる。代わりにシオンは彼が死なないように治癒術を駆使する。
 動機は違っても利害の一致さえあれば協力はできる。それが証拠に、ふたりはビエゾを退けることができた。
 ともかく明日はまたアルフェンの治療だ。仰向けに寝かされているだけではわからないから、明るくなったらジルファかガナルあたりに声をかけてひっくり返してついでにもう一度剥いて、状態を細かく確認しなければ。他の人々の世話にも駆り出されるのだろうし、食べて寝て、ちゃんと体力を回復しておかなければならない。
 使えるものは使えばいい。そう、私自身であっても。それが正しい。
 シオンは息をついて、昨夜選んだのと同じ寝台に横たわった。反対側の壁際を見つめる。鍵もかからない部屋で他人の、男の寝息がひそやかに響いているという事実は、特に彼女の胸をざわめかせることもなかった。何か変化があればすぐ気づけるだろうし、ちょうどいい。
 道のりはまだ遠く。こんなところで躓いているわけにはいかないのだ。
「……早く起きなさい」
 呟いて首を戻し、天井を見つめる。味気ない日干し煉瓦の色にすぐに飽いて、瞼を閉じたシオンはそのまま眠りに引き込まれていった。
--END.
前回との! 落差!
ツンツンツンツンなシオンでした。トゲが! すごい!
なんか書きたくなったのでこのタイミングで書いたのです。まだ二周目も序盤のくせに三周目行っといてからのほうがいいかなーとか言いながらこれ。考察抜けはある前提。あきらめた。

以前どっかで呟いてた仲間たちそれぞれの視点でなんとなーくアルシオの進展をなぞっていく連作、の一部分のつもりです。連載と銘打ってはないですがのんびり続きます。そのつもりです。ていうかこれ進展描写か? 関係なくないか? 切り取った場面にアルフェンいないが。寝てるだけだが。
まだ色々バリバリあかん頃なので、怪我人でも攻撃してくる相手を宥めてかつ癒すほどの余裕はないと思われますシオンさん。死にそうだったら別だろうけど。あと暴れて荊ぶち当たったらそれこそ悪化しかねんし口喧嘩だけして手を出さずに撤退するのが関の山だろうなあって。
ツンツンツンツンの一因くらいにはなっているかもしれない、シオンの中にも当然あったレナとしての特権階級意識はいつなくなったのか。ってか正直そもそもなくなったりするもんかな特権意識自体は多少残ったりするんじゃないかなって気がするんだけど。そんでもってダナを見下す気持ちのほうはいつから薄れそして消えたのかまだこれ書いてる時点ではつかめていなかったりする…
ただこの子、もともと物事を正面から受け止めて素直に考える感じではあるんですよね。相手が誰あろうと優れていると感じたところは他意なく抵抗なく褒める。まともな態度の相手にはまともに返すし。
おそらく最初に接触したであろうダナの抵抗組織が紅の鴉だったってのもアルフェンと同じく運がいい感。ジルファは事あるごとにレナ(というか相容れない相手や未知の存在)とどうつきあっていくかをアルフェンに諭していたので、同じことを口酸っぱく紅の鴉の面々にも言い聞かせていたであろうことは想像に難くない。ネアズはまあ本人の性質と、あと疑うのも自分の役目だと思っていそうな節があって序盤シオンへのあたりが強めですが、ガナルは不信感ありつつあからさまには嫌な態度とってこないしティルザに至ってはびびるほどフラット…
プレイヤーはアルフェン視点での各登場人物の台詞しか知り得ないので(スキットとかサブイベ除く)(アライズくん過去回想はあったけど「一方そのころ」がなかったよね確か)(あと先頭キャラ変えても台詞変わらん)シオンがひとりで行動しているときにどういう目や言葉を向けられていたのかはわからないけど、ウルベゼクの居心地はまだマシなほうだったのかもしれんなと思います。あと必死こいて怪我人治そうとしてる人のこと冷酷扱いするのは無理があるしなー…カラグリア勢けっこう序盤から生ぬるい目でアルシオを眺めてるよね…まあ人種どうこう省いて眺めたらアルフェンもシオンも人は好いからね…省くのが難しいんだけどそこはジルファに色々言われて普段から考えてるだろうし。
シスロディアに入ってからのシオンの態度について、アルフェンが「カラグリアでは打ち解けてたじゃないか…」て言ってたのもあれですよ。確かにそうなんだけどウルベゼクの人らの態度がわりと普通で嫌なものじゃなくて、シオン自身ちょっと油断してたとこあったんじゃないかなと…リンウェルに会ってそういや一般的なダナ人の自分に対する感情はこうだったなって思い出しちゃって無暗に傷つきたくなくてまた気を張ったのかなって。

基本的に攻撃されたらガッツリ反撃するシオンですがメナンシアあたりからは微妙に余裕も見え始めてる気がします。アルフェンに死なせたくないって言われて戸惑いながらも絶対嬉しかったし、仲間全員そろったらリンウェル以外は相応に友好的だし。雑談は気がまぎれるからな〜。ニズのデの発言とか序盤シオンだったら銃声響いてそうだなって思いますわ。他の仲間があからさまにむっとしててなおかつアルフェンがブチ切れたのもあってなんか本人逆に落ち着いちゃったっぽいけど。あれ序盤の君だったらぶっ放してたよね? って思う。

関係ないけどティルザの髪の色、なんとなく麦わら色表現にしたけど砂色のほうが的確かな…まあ変えたくなったら変える。

あとアルフェンの怪我って具体的にどないくらいだったんだろう…いやさこの話だと深刻な描写にしましたけども服とか顔とか焼けてる感ないんだよねゲーム。ゲームだからと言ってしまえばそれまでだが…熱波でダメージくらうタイプなのか直接触れてるとこだけにダメージ行くタイプなのか…腕がやべえ、だけはわかりますけど。
ぶっちゃけ唇とか焼けない? 水ぶくれになっちゃって直視できない惨状だったりしない? とか思い始めるときりがないね。とりあえず顔がどうだったかの言及は避けました。
仮面壊れた後はまあアルフェンも王の力に自覚的になって自分にあまりダメージ来ないように使えるようにもなってるんじゃないかなと思うし、禁領後はガゥム=アーサリスでやっぱりだいぶ保護されてそうな気はする。けど。
他の領将戦はともかくビエゾ戦の一連は火の星霊力をガン積みだったってのと初めてで加減もわからんかったってのとで一週間も寝込むことになったんかな。ED後はアルシオ二人とも普通に歩けるくらいの余力あったぽいし…国生みまでしといて…(まだ言う)

これ今後どうなるのかってーとあくまで仲間視点で進行していくつもりなのでアルシオいちゃつきはあんまないような気がします。アルシオを眺めるそれぞれの思うことと、それに絡めて内面も描写したいん。私が楽しいだけだけど気が向いたらおつきあいくださいな。
(2022.01.16)