紙ひこうき。





 春うらら、体育館裏にて。



 こつん。

「……ん……」

「わわわ、ごめん珪くん! 当たっちゃった!」

「あ……来てたのか。おはよ」

「おそようv」

「……おそようって……(カサッ)……紙ひこうき?」

「うん! 珪くんも遊んだことある?」

「……ある。昔、だけど」

「そっか。ねえねえ、紙ひこうきっていろんな折り方があるじゃない?」

「……ああ」

「わたしの折り方ってねえ、家族の誰とも違うの。おとうさんが言うにはね、教えた覚えもないのにある日いきなり作り出したらしいんだけど」

「ふーん」

「違う折り方すると、真っ赤になって怒ったんだって。”そのつくりかたまちがってるもーん!”って。ふふ、子供だったよねえわたし(くすくす)」

「……(ふっ) 今も充分子供みたいじゃないか、おまえ」

「ひ、ひどーいっ! わたしのどこがっ!? そ、そりゃ童顔だって言われるし、ちびだし、スタイルだってそりゃお世辞にもいいとは言えないけど……」

「(カサ)……こういうところ。これ、お知らせのプリントだろ?」

「もう読んじゃったからいいんですーだ。あ、珪くんに渡そうと思ってここに来たんだよ。すっかり忘れてた…はい」

「……こっちでいい」

「へ? え、だってそれ、ひこうき型になっちゃってる……」

「いい。読めるし、べつに」

「……そう? じゃ、こっちのもひこうきにしちゃおっかな♪」

「………………
俺が教えた折り方、か……期待しても、いいのか?……」

「ん?」

「…なんでもない」












終幕。


|| INDEX ||


元ネタ→OPムービー〜〜。
ときおり思い出したように挿入される紙ひこうきを折ってる子供の手、王子ですよねきっと。
なんかある程度おっきい男の子ばっかり出てくるムービーの中だったんでミョーに印象に残って。
王子のED見るまでわかりませんでしたけどね(笑)
早く思い出してくれ〜〜ってなわけです。うむ。