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〜2012/6/30(土)
わほー
仕事帰りにPS3買ってきました。
なんか重かったんだが…重かったんだが。
で、珍しくkonozamaにはならず発売日に届きましたアーシャ。CDはリンカだった。とりあえずパーティーの男女比のバランスを重視する私としては(?)戦闘メンバーはアーシャとユーリスとリンカかレジナにしたいかなと思ったりするわけですがそれだと見事に肉弾系だよねっていう。やっぱり全員まんべんなく使うのが良さげかしらん。
で前回書きそびれたんですが、私、幻水紡時の主人公の名前アーシャにしてたんよね…
その頃はアーシャのアトリエとか出るのも知らなかったですけど。てか女名つけられた中身漢な男の子のイメージでプレイしていた。ほら、えーと、ガンダムのカミーユ的な? カミーユよく知らんけど。スパロボに出てるのしか見たことない。
まあそんなこんなでしばらく据え置きアトリエ買ってなかったけど買ってみようかなーという気分になったのでした。なんとなく。
そんだけです、うん。
あ、はくすありがとうございますーがんばるよーどれかを!

2012/6/28(木)

もう六月が終わりそうとか
おおお、やっとこさいろいろできました…というか整理しただけだけど(笑)
同盟更新したしDQアンケート撤去できたし! できれば来週末くらいに結果と小ネタを上げたいところですがどうなるか。
今後の希望としては
・DQアンケート結果+小ネタ
・DQ本編後短編
・ラルフ×メリー書いてエルクローネ部屋設置
・ケビリスもあと一本くらいは
・FF7AC後クラティ妄想(←)
順不同っていうかほんと希望にあふれているというか…実現できるかは神のみぞ知る。私は知らん(おい)

そいやPS3ないのにアーシャのアトリエ予約しちゃったんですけど。いやさTOVの廉価版も夏頃出るらしい?し、そろそろね…
FF13もちょっとやってみたいんですよ。寄り道の楽しみはないけど一本道ゲーとしてはそれなりにおもしろかったと弟が言ってたもんで。
あとTOIRのためにPSVitaもほしいしFEとルンファク4のために3DSもほしいし。なんでこんなにハード分散しとるん…? お金がいくらあっても足りないよ…
まあともあれいっこずつすこしずつ。


私信

やあやあ光ありがとうー!
早くて早くてなんかもう今までの私…何…? みたいな(笑)
うん環境のせいもあったんだ、だってサイト更新しようと思ったら事前のウイルスチェック必須なのに、更新パック店頭で買えなくなったからね! 環境のせいだったんだよ(ドヤ顔) ともあれやっとアンケート一時撤去できたさ…投票できないアンケートがでかでかと居座っている光景がやっと平常運転に戻った。ご期待に沿えるよう張り切って掛け合いの続きも考えるとするよー!
てか続きできてるなら早う見せておくれ見せておくれ…! ニヤニヤしたいんだからさ! いやシリアスな場面はシリアスに見守るけどさ! よし、ちょっと思念送っとく。ふんばって!
しかし最近の乙女ゲはなんていうかこう進んでるよねいろんな意味で! RPGとかの匂わせる程度のも悶えるけどスチル付きでがっつりいちゃついてる場面とか畳ローリングしちゃうよほんともうどうしてくれよう…。遙か3とかはもちっと早くはまればよかったと思わないでもないけど新しいのも含めてまたお話してそして教えてー! 日記とか見てるとFE覚醒もものすごく楽しそうだなーと思いつつハードごと買わにゃならんで二の足を踏んでいる、だがしかしいずれ突撃するよ、ありとあらゆる方向に!
ていうか「!」多いな私!

2012/6/24(日)

つないだ
新しいぱそこんさんをネットにつなぎました。
…ていうか今時のって簡単なんですねー。無線LAN買って家の光の接続機器とつなげて設定して…って、20分くらいで終わったよ。
32Kbpsから117Mbpsになりましたよ!
sugeeeeeehaeeeeeeee!!
いやまあ今までがショボすぎただけですが。
ゲーム公式サイトの動画とかも普通に見えるんですよsugeeeee(すごくない)
ブログサイトも楽天通販も一瞬で表示ですよsugeeeeee
同盟のほうのHTMLもいじりました。あとはアップするだけなんだけど、ちょっとプロバイダの関係で手順がまだわからんのでまた次の週末にでも。
アンケートもいい加減撤去しないと。

2012/6/20(水)

二目ゴム編み
急に思い立ってFF7ACをPSPで見てたら無性にACCも見たくなって注文しました。
でもPS3もブルーレイプレイヤーもないよね自分アハハと笑いながらちょっと前に買ったパソコン見たらブルーレイ対応でした行き当たりばったりHAHAHA。
今週末を目標にネットに繋ぎます。
そろそろサイトのHTMLをいじりたい…

ブルーレイ綺麗ですねーついでに新しいパソコンだから音もわりとよかった。イヤホン使用。
クラウドの服の編み目まで見えたよ二目ゴム編みだったよ!(大笑)
血とか汚れの描写も増えて不自然感はだいぶ薄れてたかなー。というか最後の痛めつけられるシーンは痛かった、赤いのが見えるだけで痛かったぶるぶるぶる。
主にクラウドとティファとザクエアと子どもたちとレッドが目的なので出番増えててウッハウハだったんですが、反面シドとか登場がショボくなっててちょっとがっかりしたぜ…そういや竜騎士系列だったよねとか思い出してみたりもした。忘れてた。
三回くらい見るとキャラ以外の場所にも眼が向くようになりますねえ。壁に貼ってある似顔絵とかモブの動きとか画面端で見切れてるのが誰かとか(笑)
FF7ダイジェスト映像も懐かしかったー。あの頃から建物やら光やらの描写はあまり違和感なかったんですね。難しいのは生き物かー。そういやクラウドの金髪はなんか痛んでるなーって感じのパサパサ感だったのに(だから余計チョコボぽい)カダージュの銀髪はうるうるツヤツヤサラサラで何かものすごい笑いたくなりました。

2012/6/11(月)

ミスドいってきた
ガラス小皿交換できるの忘れてた。そして思い出した。から。
ポイントは去年から100ちょっとしか貯まってなかったし、かといって他に欲しいもんもなかったしで渡りに船とばかりにでライオンとウーラーいっこずつもらってきました。
想像してたよりちっこかったけど、想像してたより綺麗です。可愛い可愛いようううう。
てか日本製でした。地味にびびりました。
そういえばずーっと昔に無性に欲しくて一生懸命ドーナツ食べて交換した耐熱ガラス製グラタン皿(何故かプリン型として愛用していた)もフランス製かなんかだったなー。綺麗で頑丈なの。
ミスドも意外とあなどりがたし。

2012/5/29(火)

酢乱再び
またラルフ×メリー。
まだ一ヶ月だしそもそも売り上げ的にプレイ人口が少ないわけで、二次創作全然見かけませんね…
テイルズとかだとすごい勢いなんだけどなー。
そういやもう一本くらい乙女ゲやっとくかってんで「猛獣使いと王子様」をやってみました。
とりあえずマティアスルートだけFDまで終わらせた。エロかった(笑)
性格違うけどGSの王子を思い出したなー。いやまあ声同じですしね。あと寂しんぼなのも一緒ですね。きゅんきゅん来るわ。
ティアナもしっかりスチルに出張ってておいしかったです先生。ドレススチルはメリーにも欲しかったよう。
しかし台詞はエロすぎて逆に笑えて仕方がなかったです。萌えるより先に笑う。恋愛もさることながら見所は兄弟愛と師弟愛と親子愛だと思うの。
こっちはFDまでがっつりやって満足したので今のところ書く気はしないかなー。あ、でも読む気はあるのでサイトめぐりはしまくってます。HAHAHA。




酢乱再び

 やはりというかなんというか、その日の夜は大騒ぎになった。
 うたうことり亭は変わらず暖かくにぎやかだ。息子に言わせればたった半年でそうそう変わってたまるか、ということらしいけれど、半年は決して短くはない。だいたい今日の主役の彼だって、たった半年で背が伸びて、顔つきも大人びて、少しだけ雰囲気が変わった。内面だってそのぶん成長しているに違いないのだ。
 シュトラウスの丘での一連の出来事を思い出すと、今更ながら顔から火が出そうになる。やっと会えて気が昂ぶっていたとはいえ、よくもまああんなふうに触れ合えたものだと思う。メリエーラは熱くなりそうな頬をそっと押さえた。
 彼女の思惑をよそに、周囲の面々は相変わらずのやり取りを繰り広げている。ラルフの帰省を聞きつけて早々にやってきたのはマルセルやハイディなどの同年代の友人、それからクレメンスら恩師たちだったのだが、いつの間にやら話が人の口から口へ、何かものすごい人数の大宴会と化している。
 俺のお帰り会っていうよりは宴会やりたいだけだろ、などという彼の言は皮肉なのか本音なのか微妙なところだが、これだけ騒々しければそう言いたくなるのもわからないではない。べつに、良い悪いの問題ではなくて。
 ディルクとフレンは同じ大皿の料理を巡って視線で火花を散らし、そんな二人を非武装地帯だと牽制するカルラもいつもどおり。厨房から出たり入ったり忙しいカールもいつもどおりだが、結局息子は今日のところはなんとか料理係から解放されることとなるらしかった。本人の希望というよりも、彼の隣にぴったりとくっついて座るポポットの姿に周りがなんとなく気遣ったというのもある。エルハルトはけらけら笑いながらラルフの背中を叩き続けているし、ヨハンとアレクセイ、それからベイジルはすぐそばでぎゃいぎゃい繰り広げられている喧嘩に参加する気はこれっぽっちもありませんとばかりにマイペースに料理をつついているし。無理やり引きずられてきた感の強いシュテファンも、嫌そうな顔をしながらも出て行こうとはしていない。喧騒の中確かな存在感を持って流れるバイオリンの旋律は、奏者の表情とは裏腹に明るく軽快だ。
 そしてメリエーラを含むアカデミー関係者も、ラルフたちと同じ大卓を囲んで座っていた。
 何が気になるかって、一番は彼の研究だ。何を学んでいるのか、何を学べるのか。何を目指しているのか。留学を勧めた張本人であるオズワルドはもちろん、新しい知識に目がないクレメンスも、最近進路を真面目に考え始めたらしいマルセルとカヤも、いつもあまりやる気が見られないハイディすら、ラルフの話に熱心に聞き入っている。
「……で、とりあえず研究室での動作は確認できたんだよ。あとは特別知識のない一般人でも安全に確実に使えるにはどうするかって段階にきて……」
 一般の生徒と違って、講師資格を持つものはより多種多様な、または危険な研究をする許可も与えられている。だがそれとは別に上から与えられる“課題”ももちろん存在するそうで、今はその話だった。
 一区切りついて全員が息をつく。
「駄目だ、しゃべりすぎて喉痛ぇ」
 けは、とラルフが軽く咳き込んだ。
「ずっと声出しっぱなしだもんなあ。あ、俺さ、来る途中アロイスさんに会って。こんなんもらったんだけど」
 マルセルは思い出したようにテーブルの下に手を伸ばした。どん、と皆の目の前に置かれた瓶は綺麗な赤だ。透明なガラスの内側で、波打つ液体は光を反射して宝石のように輝いた。察しよく空のグラスを配り始めたカルラに礼を言って、手早く注いでいく。水で薄めるタイプの飲料のようで、卓にもともと置いてあったお替り用の水を加えつつもはい、はい、と次々渡していく手つきにはよどみがない。アカデミーの寮では生徒たちがたびたび宴会もどきをすることがあったから、物慣れた給仕ぶりに特に違和感を感じることはないが。
 なんとなくぽかんとした表情でグラスを受け取ったラルフを見やり、彼の幼なじみはにかっと笑った。
「大丈夫、アルコールじゃないからさ。アロイスさん、ラルフ様が戻られたなら是非って言ってた。ほれ、一番にどうぞ」
「あ、ああ……」
 今宵の主役(忘れそうになるが)が口をつけたのを見計らって、メリエーラも自分のグラスに顔を寄せた。甘酸っぱい匂いがする。爽やかな酸味を予想させるそれが記憶の端っこに引っかかって、彼女は眉根を寄せた。
「…………百年石榴?」
「お、よく知ってるなあメリー。もしかして飲んだことある?」
「うん、去年の精霊祭の頃……って! ラルフ! もう飲んじゃった!?」
 味や香りを楽しむどころではない。カヤや先生たちはおいしいねー、などと暢気に微笑みあっているが、相槌を打つ余裕もない。あるわけがない。
 慌てて様子をうかがうも、果たしてグラスはすでに空となっていた。
「お、遅かった……!」
 そういえばあの件、アロイスには話していなかった。となれば善意で再び蔵出し品を振舞ってくれたのだろうが、それが仇になるとは思いもしなかった。
 飲む前に香りで気づきなさいよとか一口飲んだところでやめるって選択肢はないのとか。反射的に喉元まで出てきた罵倒を飲み込む。それよりまずは、この瓶を彼の目の届くところから隠してしまわなければ。
 ラルフが手を伸ばすより、メリエーラが瓶を攫うほうが一瞬だけ早かった。視線が合う。目が据わっている。不満げにへの字に結ばれた唇を見て確信する。
 やっぱり酔っ払った。また。酢で。
「……おかわり」
「だめ」
「おかわり」
「だめだったら!」
 そこで怒り出すかと思いきや、ラルフは今度はあらぬ方向を見つめたまま薄ら笑いを始めた。
「ふ……ふふふ……」
「え、ちょ、あに……おにーさま? 何その笑い。なんか怖……」
「酔っ払ったのよ!」
 ポポットこっちいらっしゃい、と手招きすると、幼い妖精は素直にテーブルのこちら側に避難してきた。再会してからこっち、兄貴分に泣きつく勢いで離れなかったにも関わらずである。やっぱり本能的に危険を察知してるのかしらとため息をつきながら、怯え気味の頭を軽く撫でてやる。
 マルセルが素っ頓狂な声で叫んだ。
「酔っ払っ……ええっ!? お前、調合で酒使っても別に酔っ払ったことないじゃんか! ていうかこれ酢だぞ!」
「俺は素面だ!」
「……これは完璧に酔っ払っていますねえ」
「ふむ、興味深い。ところでうたうことり亭のメニューにはマリネもあったはずだが?」
「えーえ、ありますよ。ねえカール」
「うん。それこそ作ったことも食べたことも数知れず……の、はずなんだけど……」
 どこかのんびりしている教師陣と彼の両親はたいした事態ではないと思っているようだ。というかメリエーラだって、酢で酔っ払ってしまうこと自体は問題にしていない。恐ろしいのはその後だ。以前の標的はポポットだったので、とりあえず自分の側に引き寄せて安全を確保してはみたものの、今回は人数が多すぎる。誰に絡み始めるやらわかったものではない。
 あまりにおかしくなるから記憶が飛ぶのかと思いきや、しっかり覚えているらしいし、これでは正気に戻ったときにまた頭を抱えることになるだろう。それは気の毒だ。しかも面白がってあおりそうな面々も混ざっているのが更に恐ろしい。
 相変わらず薄気味悪い笑みを顔に貼りつかせて「ふふふ」とかうなっている彼が暴走を始める前に、一刻も早く人目のない場所に移さなければならない。そして殴ってでも眠らせる。よしそうしよう。今すぐそうしよう。
「ラルフ!」
 彼女は素早く立ち上がって椅子の後ろに回りこみ、ラルフの腕を引っ張った。予想に反してぐんにゃりと手ごたえがない。脇の下に手を入れて椅子から引き摺り下ろす。
「休ませるのかい? なら私が運」
「小鳥ちゃーん、その細腕じゃきついっしょ。手伝ってあげ」
「大丈夫ですっ!」
 ヨハンとエルハルトの申し出が純粋な親切心ということはわかっていたが、メリエーラはぶんぶんと首を振った。
 重いが、こうなったら引きずっていってやる。火事場の馬鹿力さえあれば対応できないほどのものでもない。酔っ払いと同じくらい、いやそれ以上に据わった目で場を見回し、彼女はにっこりと微笑んだ。
「休ませてきます。皆さんは気にしないでそのまま楽しんでいてくださいね」
 メリエーラの鬼気迫る様子に慄いて、誰も後を追おうとはしなかった。


 ラルフの部屋は二階にある。
 一度彼を廊下に転がしておいてから、メリエーラはノブを回しできた隙間に足をねじ込み、背中全体でドアを押し開けた。青年を引っ張り込んで、上半身を寝台にもたせかける。
 とりあえず当面の危機は脱したと見ていいのだろうか。とにかく少しでも眠らせてさえやればすぐに酔いは抜けるらしいので、さて水を飲ませるか昏倒させるか、どちらにしよう。
 思案していたら名を呼ばれた。
「メリー」
 振り返る。
「ラルフ? 大丈夫なの?」
 ラルフはいつの間にかずりずりと身体をずらし、寝台の上に座っていた。微妙にゆらゆらしているので、やっぱりまだ危うい。不気味な薄ら笑いはやんだ。だが最低限の灯りでは表情が見えづらい。
 隣に座って顔を覗き込むと、がっしと両肩をつかまれた。
「…………」
「あの、ラルフ?」
 どこかとろんと溶けた瞳が、それでもまっすぐに彼女を射抜く。赤みがかった茶色は紅茶に似ている。落ち着かない気分になって、メリエーラはちいさく身じろぎした。
 酔うとその人の本性が出るという。以前彼は、手法は間違っていたがただひたすらに妖精を可愛がっていた。可愛がられた本人は相当怯えていたが、メリエーラにとっては正直笑い話で済ませられる程度の出来事ではあったのだ。ラルフは根本的に無害だ。
 それがわかっていたから、とにかく人目に醜態をさらしたくはなかろうと連れてきて、二人きりになることに成功したわけだけれども。
「えっと」
 何か間違えたような気がしないでもない。見つめる視線が熱を帯びてきたような気がする。比例して、頬も耳も熱くなってきた。どきどきして呼吸が苦しい。ポポットとは別の意味で、自分の身に進んで危険を招いたのではなかろうか。
「メリー」
「な、何?」
 びくっとして思っていたより大きな声が出た。肩に乗っていた彼の右手が頭の後ろに移動し、力が入り――いよいよ身を硬くしたとき。
「……帽子が邪魔だぁっ!」
「はいぃ!?」
 かぶっていた帽子を頭からすぽんと抜かれ、さらに部屋の隅っこに投げられて、メリエーラは目を見張った。大きな手がわしゃわしゃと髪をかき混ぜる。
「ちょ、なに!?」
「やっぱ伸びたよなあ、髪伸びたよなあ」
「いえ確かに伸びたけど!」
 抜けてしまう――ほどではないが、手つきに遠慮会釈がない。このままでは絡まってぐちゃぐちゃにされてしまう。やめて、と言うよりもラルフが言葉を続けるほうが早かった。
「伸びたよなあ……クソ、俺がいない間に綺麗になっちまいやがって……俺が……いない間に……」
「ら、ラルフ……」
 喉が詰まる。それはこちらの台詞だと言ってやりたかったが、口から出たのはため息だけだった。
 ラルフだって、素敵になった。もともと見目はいいほうで、エルクローネにいた頃から女神のクローゼットのベリンダが主催するなんとかいう会の“王子様”にも数えられていたくらいだ。それがたった半年の間に背が伸びて、線の細さも抜けてきて、悩んでいた頃の危うさもなくなった。自信と充実感はただでさえ人を輝かせる。留学先でも女の子の間でひそかに人気があったりなかったりするだろう。容易に想像できる。
「……もう、ばか」
 たった今感じた危機感も忘れて、メリエーラは彼に抱きついた。
 以前、酔っているときに褒められたってたいして嬉しくもないと憎まれ口を叩いたことはあったけれど。実際言われてみればやっぱりふわふわと浮かれてくるのは確かで、相変わらず髪をしゃかしゃかかき回されているのに咎める言葉も出ない。
 せめて仕返しとばかりに赤い髪を指で梳いてやっていると、ふとラルフの手が止まった。耳元で搾り出すような呻き声が聞こえる。
「………………またやった……!」
「あら、正気に戻った」
 あからさまに肩を落としているのは気の毒だが、やはり笑い話だ。メリエーラは青年を拘束していた腕をあっさり解いて、笑いながら帽子を拾いに行った。ぽんぽんと手で叩いて形を整える。かぶり直す前に思いついて手櫛で髪を撫でつけていたら、放物線を描いて何かが飛んできた。
「……櫛?」
「使えよ」
「へえ、櫛なんて持ってたんだ。って、当たり前よね。鏡ある?」
「おう。ちっこいのだけど……」
「あ、やっぱりやめた」
「は?」
 のっそり立ち上がってキャビネットの引き出しをごそごそやり始めていたラルフが、怪訝そうに振り返った。持ち手を彼の側に向けて差し出し、にっこり笑みを浮かべる。
「ねえ、梳かしてくれないかな?」
「ああ!? なんで俺が!」
「だってこれ、ラルフがやったんじゃない。……それに、ここまでわたし一人で運んできてあげたでしょ。大変だったんだから、その恩は返してもらわなきゃね。あー重かったなーあー腕が痛いなー肩より上に上がらなーい」
「嘘つけ!」
 容赦ない突っ込みとともに櫛をひったくられた。憮然としているが、お願いは聞いてくれようというのだろう。背を向けて座ると、ほどなく髪の中を細い木が通る感触がした。
「いや、まあ、すまんかった。何やってんだろうな、俺」
「わたしは別に怒ってないけど」
「お前たまに笑顔が怖ェんだよ……」
「え、そう?」
 俺の周りは怖い女ばっかりだ、とかなんとか嘆いている。反面手つきは優しい。色はともかく二人の髪質はわりあい似ているので、絡んだ場合の扱い方もしっかり心得ているらしい。手先の器用さも折り紙つきだ。安心して任せていられる。
「終わったらラルフのもやってあげるね」
「おー、そりゃありがとさーん。……手早く済ますぞ。下の奴らあんまり待たせてたら、何想像されるかわかったもんじゃねぇ」
「ああ、それはそうかも……」
 何しろ階下にはエルクローネきっての伊達男を自称する、色恋大好きエルハルトがいる。同じノリのディルクもいる。それに天然ヨハンが加われば、いったいどんな妄想を繰り広げられあまつさえ広められるかわかったものではない。
 自分たちの動向が多方面からわりと注目されていたというのは、精霊祭の後初めて知った事実だった。一部悪ノリしたアカデミー在校生の間で賭けも行われていたというから、傍目に相当わかりやすかったのだろう。そういえば、勝った人と負けた人どっちが多いのか。いやそんなことどうでもいいか。
 つらつら考えていたら指先が耳を掠めていった。びくっと身を竦めるとラルフの手が止まる。
「あ、悪ィ」
「う、ううん。びっくりしただけだから」
 口ではそう言いつつ、少しずつ動悸が早くなってきて、メリエーラは細く息をついた。
 耳たぶが熱を持っている。まず間違いなく赤くなっているだろう。軽い気持ちで梳かしてなんて言ってしまったけれど、男女で身繕いしあうというのはなんというか――こう。よく考えると色っぽい。雰囲気はまだまだだが。全然だが。さっぱりだが。
 わざとではないのだろうが、時折軽く触れる指を意識し始めるともう止まらなかった。どきどきする。早く終わって欲しい。いやずっと続いてもそれはそれで。
 当然だがラルフの視線は彼女の後頭部に固定されている。他意はなくとも観察されているも同然で、立場が逆転したら今度はこっちが思う存分眺めてやると決心を固めた。





なんとなく尻切れトンボおわりー。


喉痛いときに酢飲むのは良くないと思います先生。気にすんな。
なんとなくネタ出ししてたら出るわ出るわ、今10本くらい構想はあるんですけど手が追いつかんわ。

2012/5/24(木)

見 え た !
曇りでしたが!
分厚い雲かかってましたが!
でも都合よく太陽のところだけ雲が切れたというか割れたというか。ピーク時と、あと三日月状半月状ちょっと欠け、全部ちゃんと見えました。
ほんとに金色の環だったーすごかったー!
四時起きで山越えて桂浜の近くまで行ったんで、これでダメだったらがっくりくるところでした。
うわああい!

日食帯ど真ん中の静岡県の友人にメールしたらよく晴れてたみたいです。
今高校生だったら母校から超余裕で見えたんだろうなー。ぽっかり高い山というか丘の上にあるので。ベランダから海と新幹線見えるし。ついでに新幹線からも高校見えるし。うんそれは日食関係ないけど。
30年後も浜松はど真ん中だし、次はあっちまで行くか…

そんで6月6日だっけ? は金星の日面経過。コレは6時間かかるそうなんでまあよっぽど天気悪くなければチャンスは長ーいよね。
晴ーれーろー。

2012/5/21(月)

日食グラス買った
有給もとった。
夜明け前に起きて金環になるとこまで移動します。
あとは天気だけだなーどうなるかなー。

2012/5/17(木)

酢を飲む
タイミング的に酢乱の影響ですかと言われそうですがその前から始めたんでたまたまですイエー。
ハチミツ100、りんご酢100、100%ジュース200を混ぜて原液を作り、5倍程度に薄めて氷を浮かべて飲みます。うまいです。
ジュースは同じ100%でもストレートより濃縮還元のほうが良さげ。
あと柑橘系とかすっぱいののほうが酢と混ざっても違和感なくて良さげ。
自転車で走り回った後とか喉渇いてるときにいいです〜冬はいらんが。


久々に気が向いて少女マンガを買ってみたのですが、ファーストキスがどうたらこうたらでもめていて「青い春だなあ…」と思いました。
あっれ、そういや最近読んだ本の登場人物はべつにそういうの全然気にしてなかったっていうかあっれ、なんか忘れていた感覚を久々に思い出したみたいな(大笑)
汚れっちまった悲しみにー。
で、例によって悶々とラルフ×メリー考察へと思考はシフトしていったわけでした。
妄想してて私キモイ! キモイ! ってなったんで畳んどきます(笑)



もうそう

議題。ラルフとメリーのファストキスはいつなのか。
EDが初めてとは考えにくいんですよね。いやべつに初めてでも驚かんけど、再会でテンション上がってたにしてもあんな笑顔で自然に慣れた風でお初ですとか…ないだろ。さすがに。
で、じゃあ前夜祭か? とも思うんですが、うーん、具体的な描写はなかったけどたぶんあれ最初のは唇にする気でいったもののデコごっつんで失敗してるよね?
メリーの照れた顔が出たので成功したかなあとも一瞬考えたけど、「顔近! え、ていうかキスするの? ほんとに?」とか混乱した挙句メリーからもつい顔近づけちゃってお互い勢いついて頭突きしあったオチじゃないかと。じゃなきゃその後メリーのデコちゅーにラルフがあんな大きな反応するわけないんじゃないかと。あああそこは転げまわった…
あーあとついでにEDでポポットに「キスもまだみたいだしー」と言われて否定してないからってのも。
EDでも前夜祭でもないとすると、やっぱりゲーム中では描かれていない精霊祭からEDまでの空白期間な可能性が濃厚ですよね。なんていうか攻略キャラの中で一番有利な状態で始まっといて北の国への旅路では自覚なくいちゃつくわ告白も早いわ前夜祭ですでにお互い両思い確信してるわという素晴らしいアドバンテージなのに結局一番進展遅いとか…いいけどさ学生だしさ! むしろプロポーズとかしていってたらびびるけどさ!
というかエロハルト隊長ルート以外ではメリーのファーストキスはちゃっかりポポットに持ってかれてるし。その時点で議論することなんぞ無駄なのかもしれないが。しれないが!(笑)
でも妖精さんじゃ数に入らないよねーとか妬いても無駄だよねーとかみんな思ってそうで(それでも妬いてるけど)そこはわりと平和です。
あーでも隊長マジ隊長。エロハルトとか言われるけど口ばっかでたいしたことないじゃーんとか思ってたけどアレがあったなあそういえば…
まあそういうわけで描写されなかったファーストキスとプロポーズがFDでこないかなとか儚い望みを持ってみたりするわけです。他の人みんなちゃんと標準装備だっつーのにラルフェ…お前ときたら…

あ、あと関係ないけどラルフさん、「女の友達はお前しかいねえよ!」ってハイディとカヤは友達じゃないんかいお前。わりとひどいな。いやうん、最初に「こんなこと相談できる」を脳内で挿入してあげれば問題ないですね!
あと「なんだかんだでみんな彼女いるんだよな」って、マルセルはどうなんですか親友。アップルチーズジャム戦争でヤキモチやきまくってたのでいない説が濃厚ですが。ハイディといい感じになってもいいのよ! 私得的に!
らぶらぶサブキャラカポーはラルフの父ちゃん母ちゃんだけでしたか…あと片割れ出てこないけどアンナさんとだんなさんと。

って長いよね。ここらで終わっとこう。

2012/5/13(日)

二周目〜
正確にはラルフだけで数回ずつイベント見てる気がしますが(笑)
プロローグからちゃんとやりなおして、チーズケーキ作りまできました。
ラルフの寝顔をガン見するメリーさんさすがです。
ほんと遠慮がないというかなんというか…さすがです。このツンデレどもがッ!(笑)
もう一本書いてるのはシメをどうしようかで迷って放置中。
たぶんあと半ページもすれば終われるんだろうけどどうしようかなー。
あー楽しい。

2012/5/9(水)

ふと思いついて
ふらっとプラネタリウムに行きました。
プログラムは銀河鉄道の夜でした。
あら朗読の人上手だわー声色まで変えてるわーと聴きつつスタッフロ−ルもなんとはなしにちゃんと読んでいたら。
原作:宮沢賢治
朗読:桑島法子

…ん?

朗読:桑島法子

たったこれだけの記述にヲタクアンテナが騒ぎまくって困りました。
そりゃうまいはずだよっていう…!
私声優さんの名前疎いんですが、アメルだったりリースだったり他色々なわけでさすがに覚えてます。
てか同名の別人じゃないよな…? 声の聞き分けには自信がないのでわかりませんが。
朗読の仕事してる人って楽しそうだなーうらやましいなーと思います。うん、単に自分が朗読好きなだけです。あははん。

2012/5/4(金)

用語辞典がー
ひとつだけ埋まらないー。
どこだ、どこだ! プロローグか! それとも船の中のペンジュラムの選択肢か!
いやペンジュラムはスキップすると正解がわかりづらいんで、めんどくさくて色替えが起こらないように正解しか選んだことないんですよね。

ともあれED全種類見ました。
せんせいまじでせんせい(大笑)
期待通り笑わせていただきました。おもしろかった。おもしろすぎた。でもおもしろいだけかと思いきやいい話も含まれててよかったです。
ツッコミがひたすらメリーだったけど…共通ルートとか好感度関係ないイベントだとラルフが出張ってきてツッコミまくるわけですが、まーやっぱそうだよねー恋愛ルート的には競合するから出てこなくなるよねー。
…逆はわりと出てきてたけどな。まあデフォ惚れのラルフと顔を覚えるのも一苦労した先生じゃ最初の立ち位置違うもんな…ラルフ出てきても不憫(というか邪魔)なだけだよな…
そしてラルフルートがあんまり甘くないと言われる理由も理解した。ED甘さレベルが他の人と段違いで低い…!(大笑)
そして攻めレベルも足りない(笑)。なんでメリーが攻めてるんですか。いいぞもっとやれ。

って、延々続きそうなんでこのくらいにして残り書いてきます。
そしてやっぱりカヤは目立たなかった。台詞が「ばぶー」だけのモニたんよりも影が薄かった…!(笑)

2012/5/2(水)

ふたつめ書き終わってないけど
他キャラルートいきはじめましたっていうか後は満を持して先生だけです!(大笑)
ラルフルートやってるときに順番決めました。先生は絶対最後にしてやるぜヒャッフーと。んでそのとおりに(笑)。だって先生他の人のルートのときでも面白すぎるんだもん。こりゃ最後の最後に腹筋鍛えてもらうしかないよね!と。
ラルフ→隊長→シュテファン→アレク→ヨハン→先生で、ヨハンまで終わった。
ここまで来てなんでローラお嬢様がローラなのか理解した。すごく…DQです…
え、DQだよね? 意識してるからローラなんだよね? 私はそう信じている。
先生まで終わったらまたラルフルートゆっくりやろうと思います。どのキャラも変すぎておもしろいけど画面に出てくるだけで滾るのはやっぱラルフなんだよう。メリーが攻めだったり誘いうけだったりな頻度が高いのも楽しいんだよう。あとポポットとの絡みとか。
しかし5人まで終わらせましたがカヤの出番が少ないです先生。たぶんこの子の指導教官がオズ先生でもクレメンス先生でもないから余計に、なんだろうけど…プロローグのヨハン絡みとアップルチーズジャム戦争でしか姿を見ていないような気がするんだけど…先生ルートだともっと目立つ? いや期待はできないな。
アカデミー時代のキャッキャウフフも見てみたいです。派生! 派生!

2012/4/30(月)

4月20日ですのん
ほあちゃー。

勢いのままリハビリも兼ねて(笑)エルクローネのアトリエのラルフ×メリーを妄想してたんですが。
んで今現在二本目をだかだか打ってる途中なわけですが。
二本できたら同時にー、と思ってたけど、今日ラルフの誕生日だったわーおめっとさーんというわけで一本だけ先に。ラルフ視点のメリー萌え。
HTMLは今ちょっといじれないので折りたたみ記事で。
ついでに推敲足りませんが気にしないでちょってことで。
おもいっきりEDのネタバレですんでご注意ください。あと微エロ入ってる気もしますいや基本はほのぼのしてますがたぶんたぶん!
発売後一週間で需要とか生じるもんなのと疑問に思いつつ私は書きたい時に書きたいものを書ーく!
Java切ってるとべろんと全部見えますんで重ねてネタバレ注意ね。



ラルフ×メリー

 ぽかぽかとうららかな春の陽気の中、丘の上は鮮やかな色彩に満ちている。
 咲き乱れるクローネの花は風を甘く香らせて、この街で生まれ育ったものとしての郷愁を殊更に思い出させた。
 志を抱いて故郷を出て、半年。早かったのか遅かったのか、今となってはよくわからない。周囲の顔ぶれどころか習慣も言葉すら異なる環境に身を置いて、がむしゃらに駆け抜けてきたはずだった。反面会いたい人たちの顔を思い浮かべて物思いに沈む程度の余裕もなかったのかと問われれば、そんなことはないと答えられる。
 まあ、一般的に考えればたいした時間ではないだろう。べつに一生帰らないとか、そんなつもりはさらさらなかったので、降って湧いた長期休暇に帰省しようと思いたったのはごく自然なことだ。
 彼は周囲の景色に向けていた視線を、ごく近くに落とした。半年ぶりに会えた恋人――と形容するのはまだ多少気恥ずかしい気もするが――メリエーラは、彼、ラルフが緩く組んだ腕の中で俯いている。二人して春告鳥を見送った後、ひどくしあわせそうにもう少しだけラルフを独り占めさせてねと微笑んだ。街に戻れば友人や家族に容赦なくもみくちゃにされるだろう。何しろ半年ぶりなのだ、その前に二人きりの時間を持とうという申し出は願ったりかなったりで、うなずいた自分はきっと満面の笑みを浮かべていただろうことは想像に難くないのだけれど。
「メリー?」
 メリエーラは黙り込んでいる。いい加減付き合いも長いのだ、沈黙が落ちていても、その空気が気まずいものかそうでないかくらいは読める。しかし黙っているのももったいない気がして、ラルフはそっと彼女の愛称をささやいてみた。
 反応して、彼の胸もとに当てられていたちいさなこぶしがぎゅうっとシャツを握りしめる。
「…………困ったなあ」
 内心で五つほど数えてみた後に聞こえたつぶやきは、内容に反してそれほど困ってはいないようだった。何か面映い。さらさらと、涼やかな風が記憶にあるより少し伸びた灰茶色の髪をもてあそんで過ぎる。
「何が?」
 深刻でないのはもちろんわかっていたが、メリエーラが何に“困っている”のかはわからない。笑みさえ含んだ自分の問いかけが妙に甘ったるいのは久しぶりだからだ。きっとそうだ。苦笑しながら応えを待っていると、やがて彼女は意を決したように顔を上げた。視線がぶつかる。青と緑が溶け合ったような湖水の色。じっと見つめ返せば、徐々にぽうっと頬が上気してくる。飽かず眺めていたかったが、緊張に耐えきれなくなったのか、結局もう一度貌を伏せてしまった。
「話したいことがいっぱいあるの。ほんと、いっぱいあるのよ」
「ん。そりゃ俺だって」
「でもね、話したいんだけど、その……」
 ここできゅっと身体をちいさく縮ませる。髪の間から真っ赤に染まった耳がのぞいた。
「その…………キス、も、したい」
 言われた言葉が頭の芯まで到達するのに少し時間がかかった。
 よっぽど面食らった顔をしていたのだろう。もしかしたら、ぽかんと口を開けたままだったかもしれない。恐る恐るといった体で見上げてくるその表情をみとめた瞬間、ラルフは何故かぶはっと噴き出した。
「は、あはははっ!」
「ちょっ、ラルフ! なんでそこで笑うのよ!?」
 なってないわよ、普通そういうとき男の人は優しく笑ってお願い聞いてくれるものなんじゃないの!?
 傷つけてしまったかもしれないとの危惧がひそかに生まれたが、すぐに心配ないようだと思い直した。メリエーラは基本礼儀正しく控えめで優等生的な性格をしているけれど、根っこの部分では割合気が強く、ラルフに対しては辛辣な口もきく。目を吊り上げて詰ってくる、とにかくひたすら怒っているらしい。小作りな顔に並んだ瞳がきらきら光って、頬を林檎のように赤くさせて、怒っているのに愛らしい。何か台詞の中に不本意な罵り言葉がちらほら混じったようだが、腹をたてる気にもなれない。懐かしさが胸の中をくすぐり、彼はさらに遠慮なく笑い声を上げた。
「ひー、は、腹痛ぇ……いやそりゃそうだよな、どっちも口使うもんな、同時にはできないわな!」
「注目するところがそこなの!?」
 ちょっとそこになおりなさい、とメリエーラは右手で地面を指差した。お説教をしようというのだろうか。正座すればいいのだろうか。というか、説教するとしたって何をどうやって。
 ぺしぺしと力任せに肩を叩いてくる左手首をつかみ取り、薬指の根元に口づける。
 精霊祭、二人で出かけた日に交換した指輪がそこにはめられている。調合をするには指輪は邪魔だ。指輪どころか装飾品全般が邪魔だ。なにしろうっかり練金釜の中に落としてしまいかねない。ラルフも、普段は鎖に通して首にかけたり、ハンカチを結びつけてポケットに突っ込んでいたり。なくさないようあれこれ工夫をしつつ肌身離さず持つようにはしているのだが、実際指に着ける機会は少ない。それは彼女とて同じはず。
 でもあのとき、選んだものはお互いそれだった。
 そして今、彼の左手の薬指にはやはり銀色の光がある。
 ときどき妙に思考がかぶることがあるのだ。楽しいような、嬉しいような、恥ずかしいような。ラルフの仕種に気を取られたのだろう、文句を喚きたてていた口がぴたりと閉じて静かになった。
 先手必勝。――かどうかは知らないが、すかさず腕を引っ張る。倒れ込んできた華奢な身体を抱きとめて、顎を捕らえ、噛みつくように唇を重ねた。勢いを殺しきれず背中から花の中に倒れ込むが、土も葉っぱもふかふかしていてちっとも痛くない。むしろ少し強めにぶつかってしまった唇から鉄錆の味がする。けれど痛みに顔をしかめたのはメリエーラだけで、それも一瞬のことだった。
 先ほど交わした、触れるだけの優しいものとは違う。ちいさな傷を労わるように、舌先で赤いものを拭おうとすれば、同じことを考えていたらしい彼女のそれとぶつかる。驚いて同時に引っ込めて、互いの反応が面白くてくすくす笑った。悪戯っぽい表情で覆いかぶさってくるのを迎えて深く吐息を交し合う。決して無音ではない、風にさやさやと草が揺れる、空を飛ぶ鳥は囀っている、糧を集める蜜蜂は一生懸命飛び回っている。なのに耳が拾うのは自分と彼女の息遣いだけで、二人のいるところだけ空間を切り取られているような、そんな奇妙な錯覚を覚えてみたりもする。
「ラルフ……ラルフ」
「メリー」
 額に頬に、こめかみに。名前を呼びながら隙を見て唇を押しつけるのは、子どものじゃれあいにも似ていた。違うのは、腹の底に徐々に熱がたまっていくところだ。
 いつの間にか体勢は反転していた。仰向けに寝転がって、メリエーラはくすぐったそうに首をすくめている。声もなく、その唇が「もう一回」とねだるのを目にしてすぐ願いに応じてやる。
 甘いのか苦いのか、血の味か。もうなんだかよくわからない。ただ、溺れすぎるとまずいというのはなんとなく悟っていた。地の底でぐずぐずと燃える何かが出口を求めて暴れまわり始める直前、ふと熱を手放す。
 ラルフはメリエーラを抱きしめた腕はそのままに、すぐ脇の草の中に顔を突っ込んだ。火照った頬に、瑞々しい緑の冷たさが心地よい。
「はあー……」
「ちょっとラルフ、重い」
「あー我慢しろ我慢しろ。べつに潰れるほどじゃねーだろ」
「それはそうだけど……」
 見えなくても唇を尖らせているさまがありありと想像できて、彼は笑った。さすがにこの陽気の中で密着していれば少々暑い。なのにちいさな手のひらはラルフを突き放すでなく、背中をゆっくりなでている。
 ん、とひとつうなずいて、彼は身を起こした。メリエーラのことも引っ張って座らせてやる。気恥ずかしさはあったが、それ以上に満足感があった。
「よっし。メリー成分補給完了っと」
「何それ? ラルフってば、なんだかクレメンス先生みたいな言い方」
「おい待てアレと一緒にするな」
 本気で顔色を変えると、彼女はころころと楽しげに笑った。
「一緒にはしてないわよーだ。なあに、もしかして自分で思ってるの? ちょっとは似てるかもしれないって」
「俺はあんな頻繁に爆発しねえ! Sじゃねえし、メガネでもねえ!」
「うん、そうね。そうなんだけど……ふふふ」
「……なんだよ」
「べつにー? ただ、やっぱり落ち着くなあって思って」
 すまし顔で言い放ち、メリエーラは身軽に立ち上がった。服のあちこちについた葉っぱを払い落とし、いつの間にか落っこちていた帽子を拾ってかぶりなおし。最後にちょっと唇を触ったのは傷の具合を確かめたのか、キスの感触を思い出していたのか。どうにも判断できないまま、ラルフも放りっぱなしだった荷物を持ち上げながら身体を伸ばす。視界が急に高くなって、遠くまでよく見えた。
「さて、もうちょっと話してたいとこだけど。あまり遅くなるとまずいよな。そろそろ帰還といきますか」
「みんな喜ぶね。今日は宴会になるかしら?」
「……ひょっとしなくても、また俺厨房に入るんかな」
「さあ? でも今日じゃなくてもいいから、ラルフのごはん食べたいな。ほんとに久しぶりだもん」
「へいへーい。お姫様の仰せのままに。で、もちろんジャムタルトは作ってくれるんだろ?」
「うん、もちろん」
 どちらからともなく指を絡め、手を繋いだ。門が見えるまで、門が見えるまでだ。それ以上くっついていたら、それはもう筆舌に尽くしがたい手荒い歓迎を受けるに違いないから。いや、あまり変わらない気もするが。
 手を軽く揺らして、歩き出す。背中を押す風は、やっぱり懐かしい甘い香りに満ちていた。





とりあえずおわりー。


もう一本はメリー視点のラルフ萌えになる予定。打ち終わってここに上げたら他キャラを攻略に旅立ちます。
変な人が多くて楽しいわードラマCDもみんなそれほど壊れてるって感じじゃなかったのに(いやそう思わせられることがすでにおかしいのか)根本的体質からお気楽なんだなーって香りがぷんぷんした(笑)
HTMLいじれるようになったら同盟とかもなんとかしますんですみません、そっちのほうはもうちょっと待ってやってくださいね。
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おぼえがき
ED見直したら申し出はラルフからじゃねーかっていう
後で書き直さねば…

2012/4/20(金)

やばい
やばい
ラルフ×メリーちょう か わ い い
+ポポットもちょうかわいい

FD! FDはよ!
ハッドラマCD聞いてこよう!

2012/4/16(月)

乙女ゲ週間
というか月間か…

生きてます。
いやちょっとパソコンとか仕事とか怪我(指のぶっとい血管断絶して7針くらい縫ったけどもうほぼ治ったっていうか元通りに繋がったっぽい一ヶ月かかった)(てかまたやったのかよ!)(俺様再生力さいこう)とかそのほか色々あってもごもご。
更新はもうちょっと待ってくださいなー。同盟とかメールとかも放置状態で申し訳ないんですがもうちょっとでなんとかなるはずなんでもうちょっと…

まあパソコン周りは色々あれですが私生活は落ち着いてきてます。
エルクローネのアトリエ買ったぜー。発売がだいぶ延期になったんでふと気が向いて遙か3買ってうっかりはまりこんだりしてましたが。
九郎に萌えすぎて生きるのがつらい…マジでつらい。
そしてはまるのが遅すぎて二重の意味でつらい…
ツイストポニテがフリル着てるのに萌えられるんだもんなあすごいなあと思いつつ今はアトリエでラルフまっしぐらですが。
しかし一応セーブデータの表示が変わったからルート突入してる?と首を傾げつつまだまだ全員が大活躍です。今八百長で混沌で大混乱なところです。悪役の正体が丸わかりで笑えますっていうか楽しすぎるんだがこれ。ゲーム性はゼロだが。テキスト的には好みドンピシャで楽しすぎる。
まだ恋愛的萌えはないですけどねー。あれ、てことはまだ個別ルート入ってないんじゃね? いやでも楽しいからいいわ。というかラルフはやっぱり戦えないのかちぇーとか思ってたら本を凶器にするんじゃありません学徒!
楽しいです。

またこもります。
なんかもー拍手とかありがとうございますっていうか来てくれるだけでありがとうございます。
もうちょっとー。

2012/4/15(日)

あけました
旧年中はお世話になりました。今年もよろしくお願いいたします。

パソコン買い替えを検討中ですっていうかいい加減どうにかしろよとあちこちからツッコミが入りました…主に接続速度において。
ばす太さんも店頭で更新パック買えなくなったし、まったく便利なんだか不便なんだかわからん世の中になったもんじゃ…
うーん、私実は自分で思ってるより五十年くらい前に生まれてたんじゃなかろうか。うーん。
あ、でも新春セールはぶらぶら見に行きます。ものすごくたまにだけど、周囲が誰も自分のことを知らないっていう状態のものすごい人ごみの中に埋もれたくなるときがあるんよねー。よねー。

2012/1/1(日)


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